果無山脈 Day 1
なので、明日路線バスで向かう龍神方面のバス停のある、芳養という隣町(漁村?)の港にあるだだっ広い空き地に停めさせていただいた。
朝一のバスで龍神温泉の少し手前にある、『西』というところに着いたのが8時過ぎ。
そこから、地元のコミュニティバスを乗り継ぎ、登山口の小森集落の入り口『ヤマセミ温泉』に入るのだが、12時頃と17時頃の便しかない。
それではあまりにも入山が遅くなるので、そこからは歩いて行く事にした。
ググってみると約14kmのロード。
ザックの重量もあり、故障再発の不安もあるので、2時間以内にヤマセミの郷に着けばいいかなと。
実際、小走りも交えて2時間少々で着いたが、さらに小森集落の登山口からスタートするまでには、なんやかんやで30分はかかった。
特に是非とも行きたいわけではなかった場所だが、昔から気になっていて、何が気になっていたかというと、ここを知っている人、登ってみたい人、登ったことのある人の大半がそうだと思うのだが、『はてなし』というネーミング。
なかなか想像力を掻き立てる響きだ。
しかし、実際には南紀という山域であるという事や、この辺りの地図を見て紐解いてみると、山好きならばここの雰囲気はなんとなく想像に難くないだろう。
阿部晴明がこの地に訪れて魔物の退治を行ったという伝説の碑。
ひっそりと隠れるようにある、のどかな山里。
県道からもかなりある。
ヤマセミ温泉からも意外と歩いた。
標高もけっこう上がったようだ。
脇にある民家で水を2,5Lほど分けてもらう。
そこのご主人と少し話をするが、結構入山者にチェックを入れているようで、入山時刻が遅い事と、一見装備が軽装である事を指摘された。
しかし、はなから稜線テント泊の行動予定と、その他氷点下を予想しての装備である事を説明して、納得していただいた。
そして11:30、いよいよ入山。
小森の里を俯瞰。
獣害防止策を通り抜けて、和田の森への登りが始まる。
果無山脈の西端にある最初のピークである。
開けた稜線の北側は、やたらと風当たりが強く、体感温度が下がる。
ここの手前で、本日初めての登山者とすれ違う。
ヤマセミ温泉に車を置き、冷水山までピストンしてきたそうだ。
安堵山から黒尾山の鞍部でアスファルトの道路に出くわす。
小さい駐車場もあり、ここまで車で来て黒尾山や冷水山を目指す人も多いようだ。
14時過ぎ。
水はたっぷりあり割愛するが、下り10分の水場への道は良く分からなかった。
『公門谷の頭』『公門崩の頭』(クモンツエノカシラ)とも言うようだ。
15時。
ここからの下りは、あまり刈り払いが行き届いておらず、少々分かりづらい道筋により、しばらくは獣道ぽかった。
今日の目的他ブナノ平まであと一息。
17時前。
思ったよりも平らなところが少なく、もう少し先で幕営に適した所がないか進んでみたが、風当たりを避けられる所が無かったので、もう一度ここに戻ってテントを張ることにした。
少し傾くが、一張りなら十分なのと、意外と風裏なので良しとする。
南向きは若干開けていて、眼下に熊野川と大斉原の大鳥居が望める。
新型KLYMITのテストをせよ、との指令をロータスのT氏から賜り、ここでシェイクダウン。
私の使用している物(一番短いタイプ)より一つ上のサイズで肩からほぼ足先までカバーできる。
旧タイプより幅が広くなったとのことで、寝た時に安定感があった。
そしてこれの第一の特徴としては、内部にprimaloftを入れてあるという事。
ここは南紀の太平洋にほど近い1000m級の稜線という事で、少し侮ってはいたがそれなりに寒くなるだろうとは予測していた。
だが、昼間の天気とは裏腹に、この日の夜はテント内の結露が凍結して軽く氷点下になっていたようだ。
おまけに、夜半から再びゴーゴーと風が吹き荒れ、風裏に幕営はしていたが、フロアレステントの隙間から時折ヒューヒューと風が吹き込み、大変寝辛い状況ではあったが、KLYMITの接地面だけは暖かく、マットとしてだけでなく、もう一枚で身体を挟んで寝ればかなり快適だろうなあなどと、朝の3時にコーヒーを飲みながら思ってみたりもした。
かくして、使用テストとしては最適な条件だったのだろうなあ....
そして今日一日が終わろうとしている。
誰もいない山ん中一人のテント泊はイイもんだ。
一本だけ持ってきたビールが美味い!
もう一本持って来ればよかった....
by hoshigarasu7 | 2016-03-29 19:42 | trans mt. running