Trans Northern Alps Day 2 ③灼光の刻

太郎平小屋を出発して、テン場を過ぎるといよいよ薬師岳への登りが始まる。
ここの登りも風が無くかなりの暑さであったが、高橋君とパックで快調に登り、頂上まではコースタイムの約半分でこなせた。
薬師岳頂上はこの時間ともなると、ほとんどが薬師岳山荘か太郎平からのピストンの人で、スゴ乗越への縦走者はいないようだ。
が、行く先の遥か北薬師岳の直下、ガスの切れ間に人影を見たような気がした。
しかし、北薬師岳まで来ると誰もいなかった。
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北薬師から、スゴ乗越小屋までの長い下りが始まる。
夕刻の斜光と千切れ飛ぶガスの演出で、まるで地の底にまで下って行くような錯覚にとらわれ、延々と終わりの無い下りに思える。
高橋君は下りが苦手らしく、この風景に少し気が滅入ってるようだ。
途中、2832mピークを少し登り返したところで、初老の登山者をパス。
やはり、先行者が居たのだ。
小屋泊で夕食の希望であることを、先着したら伝えておいて欲しいと頼まれた。
しばらく、高橋君も遅れ気味になり始め、彼にも同じことを頼まれた。
相変わらず夕陽と千切れ飛ぶガスの不思議な下りの風景に、異様にテンションが上がり、一人飛ぶように駆け降りた
やがて、傾斜が無くなり、ガスの中に入ってしまった事により、縦走路の鞍部に達した事が分かった。
スゴ乗越小屋も近い。













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薬師岳山荘は、高橋君の未練を断ち切るためにスルー(笑







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愛知大生遭難碑のケルンにて。







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そして薬師岳頂上。
時折、雲が千切れ飛んでくる。








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昨日越えて来た槍が、既に遥か遠い。







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北薬師岳へ。







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対岸の赤牛岳から水晶岳までの稜線が午後の斜光に照らされていた。
この読売新道もいつか走り抜けてみたい。







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北薬師岳山頂。
我々の他は誰もいない。
あるのは青い大きな空だった。







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北方の雲間に、剱の峰が見え隠れしていた。







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薬師岳圏谷群のひとつ、金作谷カールが雄大で美しい。







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果てしなく続いて行く様な気持ちになる、スゴ乗越までの下り。








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さあ、先へ進もう。
遅い午後の稜線に、雲が踊る。







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足元の高山植物に目を向けてみた。
アオノツガザクラ。







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この山旅では珍しく、黄色い花のシナノキンバイ。








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高橋君にとっては、もはや苦痛の下りのようだが、自分にとっては快適な尾根の下りだ。
またもや、雄叫びを上げてしまう。







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下り傾斜が緩み、ガスの帳が少し濃くなった頃、コバイケイソウの草原に飛び出した。
この光でのコバイケイソウは十字架に見えて少し薄気味悪い感じがする。
そしてしばらく平坦な道を行くと、かすかに発電機の音が聞こえてきた。
スゴ乗越小屋も近い。









by hoshigarasu7 | 2013-08-21 16:57 | trans mt. running | Comments(0)